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キズ・ヤケドの『湿潤療法(うるおい療法)』①

湿潤療法(なつい式湿潤療法®)とは

ケガをしたらどうしますか?キズを消毒してガーゼをあてる(乾燥させる)。カサブタは治った証拠。
以前は常識とされていたことですが、実は間違いなのです。             

消毒薬は一時的に細菌数を減らしますが、それを上回るデメリットとして、キズ表面の細胞やキズを治すために必要な細胞まで傷害する作用があります。また、キズが乾燥しても同様のことが起こります。
また、キズがあるとすぐジュクジュクしてきます。これは実は膿ではありません。キズを治そうとする液体成分(滲出液)なので、これも乾燥すると働けなくなってしまいます。      

カサブタは、キズを治そうとする細胞などが乾燥のために働けず、死んで固まってしまったものです。治っているわけではありません。しばしば、カサブタの下で化膿してしまいます。

湿潤療法(うるおい療法、モイスト・ウンド・ヒーリング)とは、ケガやヤケドなどで傷ついた細胞を乾燥させず、うるおいを保てるように被覆材で覆う治療法のことです。消毒薬は人間の細胞を障害するというデメリットが大きいため使用せず、水(生理食塩水や水道水)で洗浄します。また、ガーゼもキズを乾燥させてしまうため、創面には直接使用しません。             

【イラスト】毛孔・汗管とも皮膚の細胞が存在する

【イラスト】キズを乾かすとどうなるか。毛根まで死滅すると皮膚細胞がなくなる。

【イラスト】浅い傷の治り方(真皮まで)。

周囲の表皮細胞、毛孔・汗管から表皮細胞が遊離・増殖して治します。

【イラスト】深い傷の治り方(皮下組織まで)。肉芽が形成されたあと、表皮細胞がその上を遊離・増殖して治ります。

  参考 ⇒ 新しい創傷治療 http://www.wound-treatment.jp
このサイトでは実際の治療経過写真が豊富に掲載されています。
http://www.wound-treatment.jp/next/case/tokyo/index.htm

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