新型コロナウイルス感染症対策についてはこちら

毛細血管について

毛細血管は通常1ミリに8~12本あります。長さは地球2周半(約10万キロ)とも言われます。約100億本あるといわれる毛細血管は、全身の血管の95~99%にあたります。指先の毛細血管は非常に細く、最も細い部分は約5μm(1/200mm)、最も太い部分は約20μm(1/50mm)です。多くは7μm前後で赤血球がようやくすり抜けられます。最も細い部分では赤血球は細長く変形して通り抜けていきます。壁の厚さは0.5μmでありガスの拡散に十分な薄さです。

【イメージ】動脈⇒毛細血管⇒静脈

毛細血管は動脈と静脈の間に位置し、身体中の組織細胞に網の目状に分布し、細胞に必要な酸素や栄養を届け、不要となった二酸化炭素や老廃物を回収して体外に排出する働きをしています。毛細血管の壁は血液と組織の物質交換の場といえます。この壁がいろいろな物質透過させる性質ないし能力を透過性といいます。

そのため、毛細血管はあらゆる細胞と0.03mm以内にあるとされています。逆にいえば、約37兆個といわれるすべての細胞の至近距離にまで、毛細血管が張り巡らされているのです。血液は酸素や栄養だけでなく、白血球も運びます。体のすみずみまで白血球を届けることで免疫に寄与しているのです。

毛細血管の壁の構造はたった1層の内皮とその基底膜からなり、これを通じて、血液と組織の間の物質交換(特に酸素と二酸化炭素)が行われます。

【イメージ】毛細血管は薄い内皮細胞1層で覆われ、それぞれの細胞に間隙(cleft)があります。

【イメージ】血球や血漿の通り道ではありますが、血管周囲の細胞に栄養や酸素を届けます。また、白血球が毛細血管外に出入りします。炎症が生じるとこの間隙が大きくなると考えてください。

【イメージ】赤色は毛細血管です。周囲は組織の細胞です。実際には細胞周囲は細胞液(間質駅)で満たされています。※細胞内とは電解質の組成をはじめ環境が全く異なります。

関連記事